イギリス生活で一番苦労したのは、水湯システム事情が極端に悪いことである。
建物の多くが19世紀の建築であり、そこにあとから加えたような簡素な水湯システムは、
湯の配給に限りがある。
私のホームステイ先では、5時間は誰も使っていない状態であっても、
バスタブに湯を張れるのは、座ってやっとお尻が隠れる程度である。
そのお湯で、もし体も頭も洗っていたら、前章の「水には変わりないけれど・・。」
と同様、汚してるのか洗っているのかわからない状態になってしまう。
そこで考えたのが、学校から他の同居人よりも早く帰宅し(当初は3人の学生が同居)、
手桶の代わりに購入した料理用プラステックボールを片手に、まず頭だけを洗った。
(シャワーなんぞはないのだ・・・・。)
そして再度夕食後、今度は体を洗うと言った具合である。
が、しかし・・・!!
頭は面積が狭いので何とか泡を拭い去ることができたが、
問題は体である。
私を含め3人の学生と、この家の主であるランドレディの計4人がひとつ屋根の下暮らしている。
誰かがお風呂を使用すると、その後1時間以上は洗面器1杯のお湯さえ出ないのだ。
じっと我慢しつつ、時間を置いてやっとお風呂に入っても昼間の半分のお湯さえ出ない。
途中から水になってしまうのだ。
日本で言えば北海道と同様の経度を持つ北国英国で、隙間だらけの古い家屋のお風呂場の中、 わずかな湯を張ったバスタブにつかる侘しさ・・・。
僅かな湯にバブルバスを入れ、スポンジで体を洗う。
嗚呼、日本の風呂が懐かしい・・・。
が、しかし・・・・・・!!!
体をゆすぐ湯はもう出ない・・・・。
ここはあきらめて、西洋流に泡をつけたままバスタオルで 拭く。
みんなこうやっているんだから気にしない、気にしない。
しかし・・・・・・
その後3日目の夜の事だった。
ベットに入りやっと布団が温まってきた時、
全身がムズムズする!
か、かゆい!!
ポリポリポリと体を思わずかきまくることしきり。
あまりにもかゆいので、電気をつけ、パジャマのズボンの裾をあげる。
げっ!?
皮膚がひび割れて真っ白である!!
腕も同様だった。
泡を完全に落とさなかった為に、肌のPHがアルカリ性に傾き、
肌が砂漠化していたのだった!!
そっと皮膚をなでるだけで、
まるで「粉雪が舞い散る」ように白く粉が空気中を舞う。
ボディローションをつけ、直後は落ち着いたように見えるが、
数分後には乾いて同様な状態になってしまう。
その夜は、痒さでなかなか寝付けず、翌日が土曜日だったのが幸いで、
朝一でドラックストアーに駆け込み、ベビーオイルを購入した。
ベビーオイルの皮脂分は健康な肌にはべとつくが、病んだ私の皮膚にはスットなじみ、
失いかけていた皮膚の艶を即効で蘇らせ、乾燥した皮膚を潤いで満たしてくれた。
しかし、その後はどこへいくにもベビーオイル持参で出かけなければならなかった。
なぜなら、つけて1時間は落ち着くが、すぐに「粉雪状態」に戻ってしまうのだ。
おかげで黒いセーターを脱げば、セーターの裏側は、粉雪で真っ白・・・。
脱いだとたん粉雪が舞い散る・・・・。
こ、これじゃ、日本に帰る頃には、
シワシワのばあさんになってしまう!~(>_<。)~ アウ-!
マジに悩んだ・・・・。
その後、この家のランドレディと大喧嘩し(参照1)、その家を飛び出して
ドイツ人の友人と一緒に家を借りるまで、毎日私は粉雪と葛藤していたのだった。
その後の家は、もちろん十分とはいえないけれど、何とか胸まで湯につかることができ(肩までは無理だったが・・・・。)、おまけにシャワーも完備していて、
やっと粉雪とはおさらばできたのだった。
英国の
寒空に舞う粉雪は
人肌のぬくもりなり
教訓: 日本人、湯がなけりゃ、たちまち砂漠に粉雪舞う
(参照1)
朝4時まで居間で試験勉強をし、翌日そのことを話すと、その夜は22時でストーブと電気を消されてしまった。「電気代がもったいない!!そんな時間まで起きてるな!と・・・」
部屋のヒーターは夜8時から10時までの2時間だけしか使用することができず、おかげで慢性的な風邪引き状態と発熱を繰り返す。そして、私も爆発!!という事情である。
ドケチババァ!!
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