この1408は、ホラー作家スティーヴン・キングの短編小説が原作である。
この作品の監督は、ミカエル・ハフストームであるが、当初はあの「ホステル」のイーライ・ロスが監督をする予定だったそうである。
しかし、原作のスティブン・キングが、「彼を監督にすると、作品が血まみれになってしまう。」と却下されてしまったらしい。
確かに納得である。
キング作品の優れた所は、あの緊迫感溢れる心理描写である。
しかし、イーライ・ロス監督の手法は、あくまで視覚的恐怖を前面にしたグロ描写が主体である。
昨今のホラー映画は、グロの極限まで行きついており、グロで恐怖を呼び起こすことは難しい。
グロはあくまでグロであって、恐怖と言うよりは、ただただ気分を害するものでしかなく、真の恐怖を呼び起こすものではないと思う。
その点、今作の監督に選ばれたミカエル・ハフストームは、キングのあのじんわりと迫る恐怖をスプラッター描写なしに実に見事に描いている。
そういう意味で、この作品はホラーの原点的な様相を示した作品だ。
あのスティーヴン・キング原作で、ホラーの金字塔とも言える「シャイニング」などに見られる「徐々に追い詰められていく恐怖」を存分に味わえるのである。
ホテル全体が舞台なら、観客を怖がらせる仕掛けも簡単であろうが、この物語はホテルのたった一室が舞台であるという点に注目して頂きたい。
冬の閉ざされたホテルが舞台の「シャイニング」とは違い、部屋から一歩出れば、他の部屋には宿泊客がいるだろうし、ロビーに出れば多くの人が賑わっている。
しかし、「出られれば」の話である。
見えない力によって、部屋は閉ざされ、まるで異空間のように外界からシャットアウトされてしまうのである。
あ〜やっぱり支配人に言われたとおり、泊まるんじゃなかった・・と後悔しても時すでに遅しである。
しかし、このホテルの部屋に泊まった者全員が自殺したと聞かされて、いくら霊の存在を否定するとは言え、よく泊まる気になれるものである。 私ならいくらお金を積まれても、願い下げである。(笑)
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