この作品は言わずと知れたあのリュック・ベッソン製作・脚本で、ギャグ満載のコメディの中に本格的なカーアクションを織り込んだ、TAXIシリーズ第4弾である。
このTAXIシリーズはフランスの国民的映画で、2007年2月にフランス公開は、全仏867館で上映と言う異例の公開規模でスタートした。
そして動員500万人を突破し、シリー合計動員数延べ2700万人と言うからすごい数字である。
シリーズ一弾では、 VS ドイツの名車 メルセデスベンツ。
そして、第二弾では、VS 日本の三菱ランサー(ランサーなんて、なんかマニアックなところが非常にイイ!!)
と最終的にはフランスの大衆車であるプジョーがむろん勝利を勝ち取り、フランスと他国の威信を掛けた戦いと言う図式が最高に痛快であった。
そこにはフランス人特有の皮肉と自国に対しての自信が含まれ、風刺の効いた作品であった。
このままの図式で、第三弾も「イタリア車 VS、イギリス車 VS、アメリカ車 VS?」と言った展開で行くのかと思ったら、観た直後でもどこの国の車と戦ったのか?と記憶は曖昧になってしまうほど、観客の期待から見事はずれたコンセプトになっていた。
このTAXI4でも同様で、もう上記のコンセプトの図式はもうシリーズ二弾以降は消えてしまったようである。
もうそこにあるのは、ギャグ満載のお馬鹿映画。
カーアクションは、まるでおまけのようであるし、TAXIファン期待のあの爽快感は微塵もない。
いくらカッコいい走りをシーンに入れようが、それはもう飾りとしか感じられないほど、全編寒いギャグが占めている。
前作まではかろうじてあの走りが全体を引き締め、調和となって刑事エミリオのお馬鹿かげんも笑うことができた。
しかし、TAXI4はもうはっきり言って、寒すぎる!!!
完全なるお馬鹿映画になってしまい、それはもう悲しすぎるほどである。
なぜならば、前作まではタクシー運転手であるダニエルの存在が、刑事エミリオと性格が相反するものとして、ストーリーの中心に描かれていた。
しかし、このTAXI4では、ダニエル、エミリオ、ジベール署長、エミリオの奥さんである刑事と4人のポジションは同様であり、まともなのはダニエルだけと言う図式になり、あとの3人の寒いギャグに押されてしまっている。
結果、このTAXI4は、完全なる「お馬鹿映画」となり、いくらかっこよくダニエルが走ろうが、一人まともな言動を発しようが、後の3人のお馬鹿パワーによってむなしくもかき消されてしまったのである。
TAXIファンとしても、非常に残念な結果である。
あ〜それにしても、観たかった「イタリア車 VS、イギリス車 VS、アメリカ車 VS」・・・。
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