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image  ラストキング・オブ・スコットランド - The Last King of Scotland

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ジャンル:歴史・サスペンス
監督:ケヴィン・マクドナルド
主演:フォレスト・ウィテカー、 ジェームズ・マカヴォィ、ジリアン・アンダーソン
日本公開:2007年、アメリカ
評価:
★★★★
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image ラストキング・オブ・スコットランド−ストーリー

医大を卒業したスコットランド人青年ニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)は、冒険心に動かされアフリカ東部のウガンダに渡る。
ウガンダでは、軍によるクーデターでイディ・アミン(フォレスト・ウィテカー)が大統領になったところだった。
たまたまアミンの怪我を治した縁で大統領主治医へと請われ、ニコラスは任地の医療設備の整わない村を放り出し、首都へ向かう。
アミンに気に入られ右腕となったニコラスだが、前政権を支持する反対派勢力の攻勢に脅えるアミンが大規模な粛清を行っていることを知る。
ニコラスは恐怖心からアミンのもとを離れようとするが、パスポートを取り上げられ国外への脱出ルートを閉ざされてしまう……。

 
image ラストキング・オブ・スコットランド−感想

アフリカ現代史を見ると、独裁者が数多く登場している。
中でも3暴君と呼ばれるザイール(現コンゴ民主共和国)のモブツ・セセ・セコ、中央アフリカのジャン・ベデル・ボカサ、そしてこのラストキング・オブ・スコットランドイデア・アミン・ダダである。

彼は「人食いアミン」と呼ばれるほど残虐の限りをつくした独裁者であり、81年には「食人大統領アミン」と言うタイトルで彼の半生が映画化されているので、名前だけは聞き覚えがあることと思う。

そして、この作品「ラストキング・オブ・スコットランド」は、イギリス人作家ジャイルズ・フォーデンの小説「スコットランドの黒い王様」の映画化であり、史実を基にしたフィクションである。
スコットランド人の青年医師の目を通しながら、イディ・アミンが狂気の独裁かと化していく様を描いた作品であるが、暴力描写は必要以上に押さえハラハラどきどきのサスペンス性をも交えたエンターティナメント作品に仕上がっている。

この作品でアミンを演じるフォレスト・ウィテカーのそれまでのイメージは、日本人が体の大きな黒人に対して抱く畏怖感を全く感じさせない、笑顔が優しげでどちらかと言うと頼りなく気弱と言う感があった。
その彼が「人食いアミン」を演じるとは、これは大いに見ものである。

彼のその優しげで子供のような笑顔はこの作品でも健在であり、作中のスコットランド人医師ニコラス同様、誰もが魅せられ親近感を抱いてしまうであろう。
そして、誰もが惹きつけられてしまうほどのカリスマ性溢れる演説。
そこには明るいウガンダの未来への幕開けを誰もが感じずにはいられない。

この物語はあくまで史実をベースにした小説であるので、どこまでがアミン大統領の本質なのかは知る由もないが、始めは純粋に国を思いその未来のために意欲的に執務をこなしていたことは推測される。
しかしその影で、権力につくまで犠牲にしてきた人々の報復に夜毎怯えるアミン。
奪ったものはいつまた同様奪い返されるかわからないと言う恐怖から猜疑心の虜になり、己に忠実な者の命まで奪ってしまう。
もうそうなると歯止めが効かない。
やられる前にやってしまおうと次々と殺戮を繰り返す。
アミンは反対派を少なくとも30万人以上は虐殺したそうである。

権力とは怖いもので、その権力と言う甘い汁は一度手にしたら二度と手放したくなくなる。
権力を守る=それは人々に恐怖を植えつけること。
独裁者は誰もがこの恐怖をもって、人々の抵抗を抑えつけようとするのは常であり、これは某国の将軍様と同様である。

前半のさわやかでカリスマ性溢れるアミン像は、もうここでは存在しない。
己の地位を守ることに固執し血走った瞳は、同一人物とは思えないほど恐ろしい。
この二つの反目するカリスマの狂気を、実に上手く俳優フォレスト・ウィテカーは演じている。
アカデミー主演男優賞を受賞したのは当然の結果であろう。

そしてもう一人の主人公であり、ある意味アミン大統領の語り部となるスコットランド人医師ニコラスの存在は、ストーリーにおいてスパイス的な存在となっている。
冒険を夢みて、ウガンダに来て幸運な事に大統領の補佐的な役割を任せられ、大統領官邸にて豪奢な生活に有頂天になるニコラス。
根拠のない推測から、大統領に告げ口をし罪のない大臣の命を奪うわ、大統領の夫人と不倫、果てや婦人はニコラスの子供を妊娠とまあ行動があまりにも軽薄。
ラストは命からがら脱出と言ったところだが、はっきり言って自業自得!!
全部自分が蒔いた種であって、同情心はこれっぽっちも湧き上がらなかった。

まあ、そうは言ってもニコラスのこうしたエピソードが、ただの近代史映画としてではなく、サスペンス性を盛り上げ映画を面白くしているのも事実なのだから、存在を否定することは出来ないだろう。

遠い第三諸国の近代史であるが、エンターティナメント性のツボも押さえた良作であった。

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