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この300スリーハンドレッドはアメリカ本国において、週末興行収入約7000万ドルという驚異的なオープニング記録を叩き出し、 3月公開映画としては歴代記録をたたき出した大ヒット作品である。
原作は「シン・シティ」のフランク・ミラーによるグラフィック・ノベル。
シンシティでは斬新な視覚効果で、まったく新しい映像の世界を切り開いてくれたが、この300スリーハンドレッドでは、「スペクタクル」という古典的な題材を元に、その視覚効果が驚くほど馴染んでいる。
このような迫力のある戦い映像をいまだかって観たことがないし、「シンシティ」同様、残酷場面は効果的な視覚効果によってリアル感はなく、その手のものが苦手な方でもビジュアルとして楽しめるのではないだろうか。
飛び散る血吹雪はまるで砂のようであるし、セピアカラーやブルーを基調とした映像は美しく、冷ややかでもある。
ラストの300名の遺体など残酷さは影を潜め、まるで一枚の宗教を題材とした絵画を見ているようであった。
「シンシティ」はどちらかというと、ストーリー的にもいかにもグラフィックノベルという感じで、幅広い年齢層に受け入れられるかは疑問であるが、この300スリーハンドレッドは、「スペクタクル」という題材であることと、視覚効果もストーリーに馴染み、年齢問わず受け入れられる作品であろう事が予想される。
戦い場面は、いまだかって見たことのないような迫力のある映像の連続で、思わず鳥肌が立ってしまった。
戦士たちの汗、血の匂いが画面から漂ってきそうな錯覚さえ覚えた。
しかし、そこには生臭さはなく、逆に胸のすく思いがこみ上げてくるほどである。
王を演じる「オペラ座の怪人」でファントムを演じたジェラルド・バトラーをはじめとする、男たちの鍛え上げられた体が美しく、まぶしい。
彼らの一挙一動から目が離せず、その動きすべては、この鍛え上げられた体と一体化したもので、映像効果も相まって、素晴らしいビジュアルである。
キャストは、王を演じるジュラルド・バトラー以外には、知名度がある俳優がいるわけでもない。
しかし、逆にそれがストーリーにリアル感を与え、キャストの名前に惑わされず、真に映画への評価を下すことができるのではないだろうか。
王妃を演じたリナ・ハーディーも日本では知名度がある女優とは言えないが、しっとりと自然に王を想う王妃を好演していたのが印象的であった。
そのほか日本ではなじみのない俳優人が多数出演しているが、その誰もがたとえ短い出番であっても深い印象を残している。
この映画のヒットの要因は、そのビジュアル、ストーリーだけではなく、こうした無名に近い俳優らによって、さらにリアルに古代の戦いを再現したことも忘れてはならない。
ビジュアル、ストーリー、演じる俳優すべて二重丸の、久々に出会った超おすすめ作品であった。
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