残酷な少女の夢
このパンズ・ラビリンスは、「ミミック」、「ブレイド2」、「ヘルボーイ」、「デビルズ・バックボーン」など、ハリウッドのみならずスペイン映画などでも活躍するメキシコ出身の監督ギレルモ・デル・トロの作品である。
私はこの監督の作品で「デビルズ・バックボーン」に高い評価をしている。
このパンズ・ラビリンスも「デビルズ・バックボーン」と同様、内戦下のスペインを舞台にした作品である。
この作品を観るまで、これはダーク・ファンタジー映画なのだと認識していた。
が、しかし!!さすがギレルモ監督、そう一筋縄では行かない作品であった。
この作品は、いわゆる「ファンタジー映画」では決してない。
それを求めて鑑賞すると、肩透かしを食うことであろう。
そんな夢のある楽しい話ではないのである。
観終わった後も決して後味がいいといえるものでもない。
一見ファンタジックな様相を見せてはいるが、実際は内戦下のスペインを舞台にした薄幸な少女の悲しい物語である。
それがラストですべて明らかになる。
ネタばれにならない程度に補足としてここでは記したいと思う。
ラストにしても二通りの解釈をすることができる。
その人の考えによって、この物語は「ファンタジー」あるいは、「戦争が生んだ悲劇の物語」と真っ二つに分かれることであろう。
ハッピーエンドとして捉えたかったら前者を、現実的に考えるのなら後者を。
この作品のラストは、そうした「観客に好きなラストを選択させ」と言う意図もあるのであろう。
そうした逃げ道を与えないと、あまりにもこの主人公の少女は可哀想である。
同じくスペイン内戦を舞台にした「デビルズ・バックボーン」では、少年たちを、この作品では少女を戦争の被害者として、酷く痛めつけている。
しかし、共通して言えることは、「悪は必ず裁かれる」と言うことである。
大人のエゴイズムを浮き彫りにし、対して少年、少女の純粋な無垢さをこのような形で映像にするギレルモ・デル・トロ監督の独特な才能に賛美を贈りたいと思う。
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