ジャンル:ドラマ、ラブロマンス 監督: ホ・ジノ 出演: ペ・ヨンジュン, ソン・イェジン, その他 製作国:韓国 日本公開:2005年9月 評価:★★★☆
コンサートの照明監督であるインスのもとに、妻が交通事故にあったと連絡が入る。 病院へ駆けつけると、そこには妻と同乗していた男の妻ソヨンがいた。 お互い伴侶の持ち物の中にカメラと携帯電話があり、そこに残った映像とメールの内容で、ふたりが不倫していたことを知った。 裏切られたふたりは、たびたび病院や滞在先のホテルで顔をあわせるうちに、寂しさを埋め合わせるように会話し、そして心ひかれあっていく。
淡々と綴られるストーリーは、今までの韓国映画とは一線を越し、『さあ、ここで泣くんだ!!』と言うようないかにも韓国映画にありがちな演出ではなく、さすがにリアリティを追求することに定評がある 『八月のクリスマス』のホ・ジノ監督作品であるなと思った。 近年韓国のラブストーリーがブームになり、一昔前の日本のドラマのような臭い演出も、始めはそれでそれで逆に新鮮に思ったが、最近ではどうも苦手意識が先に立ち、韓国のラブストーリーは敬遠しがちになってしまっていた。 どうせ、この作品もそんなところだろうと思いながら鑑賞したが、まさに意表をつく作品であった。 どこまでもリアルで、そして主演二人の演技はナチュラルである。 ソン・イェジンの恥じらいを感じさせる細かいしぐさ、表情、ぺ・ヨンジョンの内に込めた哀しみ、絶望感、言葉はなくても観るものは二人の細かな心の動きが手に取るように伝わる。 物語りも劇的な展開はない。 ラストも静かに幕を下ろしていく。 深い余韻を残して・・・。 この映画は大きく評価が分かれるところであろう。 劇的な展開で、観客をひきつけて、ラストまで引っ張っていくハリウッド映画的な展開や今までの韓国映画のロマンチックで作り物めいたラブ・ストーリーが好きな方にはどこか物足りなく、ヨーロッパ映画ののように淡々と綴られ、幕を閉じた後観客に何か心の隅に問いかけるような、そんなラブ・ストーリーが好きな方には、いい作品であると評価されることであろう。 私は後者であり、観ているときは、涙を流すこともなく、ストーリーを追っていたが、ラストを迎えたとき、静かな、静かな感動と余韻が押し寄せていた。 ぺ・ヨンジョンを始めて映像で観たのが、映画初出演、初主演作の『スキャンダル』であった。 彼のファンは『冬のソナタ』を観て、それに便乗して上記の作品を観るのであろうが、私は全く逆のパターンであった。 それ故、正当な評価が出来ると思っているのだが、演出、美術共に素晴らしい作品であり、秀作であったと言えると思う。 しかし、『冬のソナタ』を観て、彼のファンになった多くの方には、イメージが180度違う上記の作品より、より彼のイメージに近い『四月の雪』を評価するのではないだろうか? 『四月の雪』は『スキャンダル』のようなある意味完成された作品ではないが、ラブストーリーの佳作であると私は評価したいと思う。 Homeへ(映画コーナーには、日本公開前の作品プレビュー多数あります。)