監督はあの独特な映像表現とシニカルな視点で独特な世界を表現する「12モンキーズ」や「未来世紀ブラジル」のテリー・ギリアムある。
彼の描く19世紀ドイツは、美しく、幻想的でありそして不気味でさえある。
色調は全体的に赤みがかったブラウンを主体に古めかしさを演出している。
色調のコントラストを抑えた舞台に『赤ずきんちゃん』を思わせる少女の衣服やところどころインパクトある色彩を織り込み、独特な世界観を表現している。
童話と言うとファンタジックで美しいと言う観念があるが、ここにあるのは同時に『怖さ』であり、ところどころ登場する『虫』や『動く木』など幻想的でどこまでも不気味である。
以前ビデオで『本当は怖いグリム童話』と言うアニメの作品を観たが、ブラックユーモアが効いた、シニカルな作品であった。
この物語も美しい童話の夢のある世界の裏側にある『残酷』な部分を浮き彫りにし、大人の為の残酷な童話の世界になっている。
映像面では文句なく素晴らしいのだが、ストーリーはといえば、いまひとつ盛り上がりに欠け、手放しで『面白い』と言えるような作品ではなかった。
もう少し緊迫感がほしいところだ。
マット・ディモンは明るく活発で現実主義の兄を、そしてヒース・レジャーは、繊細でロマンチストの弟を演じ、彼らのキャラクターから言えば反対なのでは?と疑問に思っていたら、監督いわく、その反対をオファーしていたようだが、二人ともオファーとは違う役どころを希望し、結果このようなキャスティングになったようだ。
マット・ディモンは芸達者なので、問題なくその役どころを演じていたし、ヒース・レジャーもいつもとはがらりと違った抑えた演技がとてもいい。
ヒース・レジャーは、2001年の『ロック・ユー』で金髪の少しカーリーなヘアでまさしく『王子様』のような雰囲気で、甘い美形俳優と言うイメージだったが、男らしくいい俳優になったものだ。
王女役のモニカ・ベルッチは、綺麗半分、その逆半分と言う登場であり、出来れば綺麗な部分での登場をもっと多くしてほしかったような気がする。
さすが『イタリアの宝石』と言われるだけあり、相変わらず成熟した色香の漂う美女ぶりであっただけに登場が少ないのが残念である。
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