久しぶりに私好みのヒストリカルアドベンチャーに出会った。
こういう映画を私は待っていたのだ!!
歴史好きの私としては、ルパンの舞台設定は実に魅力的である。
時は19世紀、第二共和制の時代、王政の復活を願う一味とルパンとの謎を含む十字架の略奪戦、謎の美女カリオストロ侯爵夫人、幼馴染の貴族の娘との恋、そして宿命の出会いと対決。
マリー・アントワネットが断頭台の露と消える直前、配下のものに託したと言われる莫大なブルボン王家の財宝をめぐって、展開される壮大なスケールの物語である。
ルパンと聞くと日本人の多くが、モンキー・パンチの『ルパン三世』を思い出してしまうと思うが、アルセーヌ・ルパンと言えば小学校のときに全シリーズを読破した記憶がある。
内容はほとんど忘れてしまったが、この映画を見ているとその頃のおぼろげな記憶がまざまざと蘇ってきた。
フランス映画にしては、この作品はそうとう予算を使い、スケールも今までのフランス映画とは段違いである。
そして何よりも見ごたえがあり、ラストは続編を期待させる。
ある登場人物は整形手術によって顔を何度も変えたというエピソードがあるが、19世紀にそんなものがあるわけがない・・・し、しかし、これは小説の中の物語なのだ。
どんな不条理もOKである。面白ければいいのだ!!
ルパン役のロマン・デュリスは『スパニッシュ・アパートメント』に出演していた俳優だが、アニメのルパン3世を髣髴させるモミアゲ、ゴテゴテのラテン系フェイスの典型である。
出来れば、他の俳優に演じてもらいたかった・・・好みの問題だけであるが・・。
そして『キングダム・オブ・ヘブン』でヒロインを演じたエバ・グリーンは、ルパンと幼馴染の女性を演じている。
キングダム・オブ・ヘブンのときは少々ミスキャストに感じた彼女だが、ここでは自然に違和感なくその役を演じていた。
そしてこの作品で一番印象に残ったのは、カリオストロ伯爵夫人を演じた『クリスティン・スコット・トーマス』である。
イングリッシュ・ペイシェントでレイフ・ファインズと恋に落ち、悲劇的な幕を閉じるヒロインやロバート・レッドフォード主演の『モンタナの風に吹かれて』他、数々の出演作があるイギリス女優である。
この人は『美女』と呼ぶにはちょっと地味すぎな
イメージがあったが、なかなかどうして、魔性のファムファタルを堂々と演じていた。
『ゴスフォード・パーク』と言う作品で貴族の夫人を演じていたが、この人はアメリカ人女優には決して無いエレガントさを持っている女優である。
それは決して派手ではなく、中からにじみ出る生まれもっての品性を彼女には感じる。
そしてなによりも、素晴らしい演技力。
今までの彼女のイメージからは『カリオストロ侯爵夫人』を演じるなど、思いもよらなかったし、もしこの作品がアメリカやイギリス資本ならば、まずキャスティングされることはなかったであろう。
彼女は演技をフランスで学び、そして夫はフランス人医師であるので当然フランス語は堪能である。
そして定評ある演技力、華奢な肢体で優雅にコスチュームを着こなす姿はとても美しい。
続編でも当然話の流れとして登場するのは確かであるし、今から非常にその公開が楽しみである。
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