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映画
アビエイター − The Aviato

アビエーター image

ジャンル:ドラマ
監督:マーティン・スコセッシ
出演:レオナルド・ディカプリオケイト・ブランシェットケイト・ベッキンセールジュード・ロウ
日本公開:2005年3月
評価:
★★★☆

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icon ストーリー

1930年代のハリウッド第一次黄金期に、壮大な夢を追い続け、波乱に満ちた人生を送った世界一の大富豪、ハワード・ヒューズの若き日の物語。

急死した父親の事業を継ぎ、わずか18歳で90万ドルを相続し大富豪になったハワード・ヒューズは映画製作に進出する。
24歳で監督した『地獄の天使』は自らの莫大な資産を投入し、完成まで3年と苦難の道だったが大ヒットする。
一夜にしてハリウッドの名士となったハワードは有名女優キャサリン・ヘップバーンと恋におちる。
ハリウッドでの成功という夢を叶えたハワードだったが、世界最速の飛行機を作りたいというもう一つの夢にのめりこんだ時、何かが狂い始める。突然別れを宣言するキャサリン、ハリウッド一の美女エヴァ・ガードナーとの出会い、生死の境をさまよう大事故……波乱に満ちた運命の中で、数々の栄光を手に入れたが・・・・。

 
icon 感想


レオナルド・デカプリオがハワードヒューズ?!
当初この映画の製作を知らされたとき、 いつまでたっても成長しない子供のような寸の短い顔で、あの伝説の大富豪を演じると言ってもピンと来なかった。
その後、ゴールデングローブ賞受賞、惜しくもアカデミー賞は逃したものの、彼の演技への評価は高く、この映画の内容はともかく、彼がどう『ハワード・ヒューズ』を演じているのか非常に興味があった。
俳優として最大のハンディキャップであるあの
『童顔』とそれに見合った『声』をどう克服しているのだろうかと言う点が、映画の見所のひとつである。

映画は21歳の時に『地獄の天使』と言う作品に取り掛かるところから始まる。
さすが童顔のデカプリオ、実際の彼の年齢より10歳若い役であるが、全く違和感がない。
しかし、ケイト・ブランシェット演じるキャサリン・ヘップバーンとのラブシーンなど、どう見ても『坊や』 『大人の女』と言う違和感をぬぐいきれなかった。(確かにケイトのほうが実年齢でも年上ではあるが・・)
しかし不思議なもので、彼の熱演がその違和感を徐々に消し去り、いつの間に『レオナルド・デカプリオ』から『ハワード・ヒューズ』の物語へと引き込まれて行った。
ハンデである童顔とティーン・エイジャーのような発声は、見事に彼の演技によって端に追いやられ、さしてそれが問題ではなくなって行ったのである。
アメリカでは、数々の奇行で変人の異名を取るハワード・ヒューズだが、レオナルド・デカプリオは、ドロドロになりながら、その彼のエキセントリックな性質を体当たりの演技で演じていた。

異常なほどまで人間の手に付着する
『菌』を恐れ、ドアノブにも素手で触ることも出来ない。
『マイソープ』を銀のケースに入れて持ち歩き、異常なほどまで手を洗う様は、張り詰めた糸が今にも切れそうで危うい。
ハワード・ヒューズの人格の破綻の始まりを予兆させる場面であり、レオナルドの演技は見ものである。

そして何よりも私のような一般市民には興味深いのが、大富豪である彼の金銭感覚である。
私の10万円は、彼にとっては1億なのかそれ以上なのか、スケールが違う。
彼は生まれ落ちたその日から富に囲まれ、お金はあって当たり前のものであり、その辺の『成り上がり者』とは訳が違う。
映画の製作にしてもスポンサーなしで、すべて自費によって妥協を許さず、完璧なものを求める故に、莫大な制作費を惜しげもなく使う。
恋人である女優キャサリン・ヘップバーンに去られ、彼女の匂いがついたものをすべて消し去ろうと、すべて所有する服を焼ききる場面は、他の場面に比べれば断然スケールは小さいのに、何故か『あら・・・もったいない、高い服だろうに・・・』と貧乏根性丸出しでつくづく思ってしまった・・・。

そして、親から受け継いだ財産があったとは言え、世界一の大富豪になるには、やはり
『未来を読む』『決断力』そしてその目的を達成するための『強い意志』この3つが重要なんだと改めて学んだ。
彼の場合は
『一文なし』になるか『巨万の富』を築くか二つにひとつの賭けを常に行っている。
『そこそこに儲ければいい』、『損をしてもこのこのぐらい』とリスクを念頭に置いた投資では、巨万の富をつかむことが出来ない。『飛行機で世界旅行』と言う時代が必ずやって来ると踏んだ彼は、国際線へ空路を延ばすために、当時アメリカ一の航空会社であるパンナムと血で血を洗うような戦いを繰り広げる場面が実に興味深い。
『億万長者になりたい!』と言う方はある意味必見である。w

キャストで印象に残ったのは、キャサリン・ヘップバーンを演じた、『ケイト・ブランシェット』である。
ケイトと言えばエリザベス1世の若き日を描いた『エリザベス』、『ロード・オブ・ザ・リング』などで有名な演技派女優であるが、この作品でアカデミー助演女優賞を受賞した。
キャサリン・ヘップバーンといえば
『自己の率直な意志を貫きながら、近代女性の理性と聡明なウィットでキャリア60年の功績を残した人』といわれているが、まさにそれらの言葉通り等身大の彼女を演じており、実に見事であった。
金髪女優と言うと『お色気路線』のイメージがあるが、この人は顔立ちがクールなせいか、非常に理知的で知性を感じる容姿である。

それと演技云々ではないが、『パール・ハーバー』でブレイクし、『ヴァン・ヘルシング』で女伯爵を演じ、活躍目覚しい女優『ケイト・ベッキンセール』がハリウッド一の美女と呼ばれた『エバ・ガードナー』を演じていたが、実際のエバ・ガードナーより美しく、その存在だけでも一見の価値があった。

余談だが、キャサリーン・ヘップバーン役には、二コール・キッドマン、エバ・ガードナー役には、グウィネス・パルトロウが第一候補だったらしい。
二コール・キッドマンはわかるが、存在感のある濃い顔エバ・ガードナーがあの薄い顔立ちのグウィネスパルトロウと言うのは?と言う感がぬぐいきれない。
メークアップでどうにでもなるということなのか?
想像すら出来ない、グウィネスのエバ・ガードナー・・・・。
却下されたのか、グウイネスがオファーを断ったのかは知らないが、 ケイト・ベッキンセールで正解である。

そして最後に、確かに俳優の名演、ストーリーのスケールの大きさなど、楽しめた作品ではあるが、問題は
ラストである。
168分と2時間48分に渡ってストーリーを引っ張って行って、そのラストが
全くあっけない幕切れであって、『それからどうしたのよ?!』と思わず心の中で叫んでしまった。
ハワード・ヒューズのその後は、アメリカ人なら誰もが知るものだから、あえてそれを説明しなくてもいいという判断なのか?
どうも納得のいかない幕切れであり、 余韻を残すには程遠いものであった。
その点が非常に残念である。

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