確かに世間で言う『泣ける』映画である。
亡くなった妻が戻ってきて、梅雨の終わりに帰っていく。
これだけを聞いてしまえば『甘ったるいファンタジックな純愛ドラマ?』と感じるかも知れないし、映画を見ている観客の中には、『なんだ、このまま終わってしまうのか、何で泣けるの?』と感じる人もいるかも知れない。
しかし、その後澪が残した日記の中で語られる『意外な真実』を知るとき、誰もが自然に涙していることに気づくであろう。
物語と言うのは現実的なストーリー展開なのか、それとも非現実的であるかいずれかに分かれるが、間違いなく、この物語は後者である。
しかし、その非現実的なストーリーを、あたかもそれが真実の出来事であるかのように、見るものに自然にそれを受け入れさせていくところが、多くの人に支持される由縁であるのではないだろうか。
梅雨はじめじめしてユウツと誰もが思う季節であるが、この映画の一つのキーワードである『梅雨』は、限りなくロマンチックで美しい。
この映画を見た後、誰もがきっと優しい、穏やかな気持ちになるであろう。
限りなくやさしく、そして静かで、独特な世界観に満ちた作品であった。
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