オープニングの森のシーンが美しい。
青白い光に照らされた森は幻想的で、冷たく、キリストのこれからの運命を暗示しているかのようである。
問題の拷問のシーンは目を覆いたくなるような残酷さで見るものを圧倒させる。
あれほど鞭打たれ、血を流したら磔になる前に失血死してしまうのが普通じゃないのか?と思うぐらい大量の血が流れ、磔の際の手足を十字架に固定するシーンは、残酷さの極みである。
しかし、何よりも恐ろしいのは、噂や表面的な事実によって、ひとりの人間を標的にする群集心理だとつくづく思った。
これは時代は違えど、現代社会にも通じるところがあるのいではないだろうか。
人は、かくも残酷になれるとは・・・・恐ろしいものだ。
キリストが、十字架を背負い、ゴルゴタの丘を歩くシーンでは涙が溢れて止まらなかった。
この映画は、メル・ギブソンの監督としての、審美眼、確かな演出に敬服する作品であると思う。
キリスト教信者ではなくとも万人に見てもらいたい作品である。
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